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2009年06月28日

59.別れ・・・そして夢へ(9)

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公式練習を終えて、宮城と恭子はモーターホームの中のカフェコーナーに座っている。しおりも恭子の傍を行ったり来たりしながら、角谷夫妻と遊んでいた。

「大きくなったよなぁ。いくつになったんだ?」宮城が恭子に聞いた。

「先月3歳になったばかりですよ。」恭子がしおりに向かって笑顔で手を振りながら、宮城に答えた。

「早いもんだなぁ・・・。」

「そうですね。いろんなことが一杯ありましたもんね。」恭子がぼんやりと遠くを見つめて言った。

「でも、まさか恭子ちゃんとこうやって走れるとは思っていなかったよ。」宮城がため息をついて言った。

「感謝してます。たった1年だけってお願いだったのに。」

「去年テストして確信したからね。絶対いけるって。」宮城が恭子を見つめた。

「私と、宮城さん、そして顕児クンがやり残したことがありましたからね。」恭子はそう言うと、

「絶対にそれを実現しないと。」

「俺、無理させてるんじゃないか?まだ。」宮城が心配そうに聞いた。

「しおりちゃんの傍にずっと居てあげて貰った方が良かったんじゃないかって、まだ思うことがあるよ。」

「一昨年のこともありますしね・・・。私も、今でもまだ不安はありますよ。でも、結果を出しておきたいんです。しおりのためにも。」

意志に溢れた表情で恭子が言った。



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posted by 北乃 道晴 at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

59.別れ・・・そして夢へ(8)

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「カドヤを呼び戻してくれ。」メカニックがインカムを付けているスタッフに叫んだ。

ミヤギGPのマシンがすぐにピットに入ってきた。

ドライバーが宮城の抱いている女の子に気付くと、すぐにマシンを降りてきた。

「おつかれ。でも、ウィング寝かせてもそんなに伸びないと思うぞ。」宮城がドライバーに声をかけた。

「じゃ、数周試して比較して決めましょう。」ヘルメットを脱ぎながら答えた。

「マーマ、マーマ!」

宮城が抱いていた女の子が両手を大きく伸ばした。

そこにはショートヘアの女性ドライバーが立っていた。

「しおりちゃん、いい子にしてた?」

「いい子だったよなぁ?ちゃんとみーやんのこと覚えててくれたし。」宮城が笑っていた。

「恭子ちゃん。しおりちゃんならモーターホームで遊ばせておいて良いからな。」

「すみません。じゃ、このセッションが終わるまでそうさせてもらいます。」恭子がしおりを抱いて足早にパドックの方へ歩いて行った。

「ウィング調整の準備、始めてくれ。」宮城がメカニックの方へ振り向いて指示を出した。



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posted by 北乃 道晴 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

59.別れ・・・そして夢へ(7)

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多くの招待客が行き交うパドック。日本グランプリだけに、日本人が大半だ。

「ばーぁば、こっち、こっち。」小さな女の子が転びそうな勢いで走り回っている。

角谷と、顕児の母親がその女の子の後を、のんびりと付いて歩いていく。

「転んじゃうよ。」顕児の母親が笑っている。

「白鳥さんのところはまだ来てないんだな。」角谷が言った。

「今日の夕方には着くって言ってましたよ。」

「そうか。まだ、今日は予選だしな。」角谷が周囲を見回しながら言った。

ミヤギGPのモーターホームの前で、ピットの方へ歩いて行く宮城と、走ってくる小さな女の子が鉢合わせになった。

「あ、みーやん、みーやん!」小さな女の子が宮城を見て笑っている。

「おお?あれ、じーじとばーばはどうした?」宮城がその小さな女の子の目線まで腰を下げて聞いた。

「あっち。来るよ。」

小さな女の子が指差す方向に宮城が目線を送ると、角谷と顕児の母が会釈しているのが見えた。

「よーし、みーやんと見に行こうか?」と言いながら、宮城がその女の子を抱き上げてピットに入っていった。

「あ、宮城さん。ちょうど良いところに。」メカニックが声をかけた。

「何かあった?」宮城が女の子を抱いたまま答えた。

「カドヤが、最高速をもう少し上げたいと言って来てるんです。」

「ウィングを寝かせろってか・・・。あまり効果ないとは思うけど・・・。2〜3周試させてみてよ。」宮城が答えた。



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posted by 北乃 道晴 at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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