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2009年06月29日

59.別れ・・・そして夢へ(15)

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次の日も、朝からドライバーズミーティング、ブリーフィング、プレスリリース、公式練習、スポンサーへの対応と、多忙な時間を一通り終えて、ようやく恭子はひと時の休息を娘のしおりと過ごしていた。

まだ涼しい風がモーターホームの日陰に流れてくる。

恭子はモーターホーム外の仮設テラスに座り、しおりはテラスの端まで走って行っては戻ってきて恭子に抱きつくを繰り返していた。

「シラトリさん・・・、あ、キョーコさん。」

1人の少女が恭子の傍へやってきた。

「まぁ!はるかちゃん。来てくれたんだ、嬉しい!」恭子がしおりを抱き上げて、すぐにはるかに握手を求めた。

はるかもすぐに握手に応じ、恭子の隣の椅子に座った。

「来年、いきなりGP2にステップアップするんですって?」恭子が嬉しそうに聞いた。

「はい・・・。宮城さんにさっさと上がって来いって言われちゃいました。」はるかが苦笑いする。そして、続けてはるかは

「本当に恭子さん・・・、今年で辞めちゃうんですか?」と、少し不満そうに切り出した。

「うん。」恭子が笑顔で答えた。

「一緒にレース、したかったです・・・。わたし。」はるかが呟いた。



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posted by 北乃 道晴 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

59.別れ・・・そして夢へ(14)

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宮城もタイムチャートを睨みつけたままだ。

セクター1で、恭子はそれまでのベストタイムをいきなり0.5秒短縮した。

「まだ縮められるのか!?」誰もが騒然としてピンクのヘルメットに注目している。

さらにセクター2で累積0.8秒まで短縮。

恭子に続けて、トップチーム3台のマシンが最後のタイムアタックを開始した。

セクター3でとうとう恭子は1秒以上のタイム短縮に成功していた。

「信じられない・・・。」ミヤギGPのチーフメカニックですら唸ってしまった。

場内アナウンスが叫んだ。

「出たぁ!キョーコ・カドヤがトップタイム!」

しかしまだ場内に歓声は上がらない。

「続いて・・・フィオーレ、現在2位!0.5秒及ばず!」

「さらに・・・、タヨタ・・・。ああっと3位だ、フィオーレに0.1秒届かない!」

「そして最後のマシンだ!ホワイトGP・・・ああ、だめだ!ミヤギGPに0.4秒及ばず!2位確定だ!」

このアナウンスの瞬間、場内が大歓声に包まれた。

「よっしゃ!」しおりを膝に乗せてテレビモニターを見つめていた角谷がガッツポーズを小さく決めた。

「まーま?ゆうしょ?」しおりが角谷の顔を覗き込む。

「そうそう、まーまが1番だよ。」角谷がしおりに頬擦りしながら笑った。

モーターホームの片隅に飾られている顕児の写真も微笑んでいるようだった。



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posted by 北乃 道晴 at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

59.別れ・・・そして夢へ(13)

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Q1を4位で通過した恭子は、Q2でも同じく安全を見たタイムを出して4位で通過した。

そしていよいよQ3が始まった。

「じゃ、ちょっと楽しんできます!」無線を介して恭子が宮城に告げた。

「きっちりポールポジションだぞ!」宮城から、チームオーダーが飛ぶ。

『もちろんよ!』返事こそしなかったが、恭子もそのつもりでコースインしていく。

1回目のアタックで出したベストタイムは、すぐにホワイトGPのエースドライバーが塗り替え、さらに他のチームも続く。すでに恭子のタイムは5位まで下がっていた。

「このまま待って、最後に一発勝負だけで行けるのか?」宮城が、たった1回だけタイムアタックしただけでずうっとピットで待機している恭子に再確認した。

「はい。この子なら間違いなく。」そう言って、恭子は自分のマシンのステアリングを撫でて見せた。

残り3分を狙って恭子が再びコースインして行く。

その間にも、ファステストラップが続々と更新されていた。

「ホワイトGPよりフィオーレの方が速いぞ!」

「いや、最後のアタックまでまだわからない!ホワイトGPがもう一周アタックに入ってる!」

ピットで、観客席で、緊張感が高まっていく。

そしてホームストレートを恭子が通過して行った。

「ミヤギGPが、カドヤがアタックに入った!」

「さぁ始まったぞ!」ミヤギGPのスタッフも叫ぶ。



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posted by 北乃 道晴 at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 059.別れ・・・そして夢へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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