株式会社小学館集英社プロダクション
↑「ヘヴン」掲載中!一括で読めます。

ブログ内の検索


2009年05月29日

38.進路(1)

人気ブログランキングへ

恭子は再び渡英した。

その後、顕児は最終戦、東西統一選でも優勝し、今年のシリーズ戦を完全制覇した。

激戦区のKF2クラスで完全優勝を遂げたのは近年では例が無かった。

その後、鈴馬でKF1クラスのワールドカップとKF2クラスのアジアパシフィックが同時開催され、道下はKF1クラス、顕児とデラクルードはKF2クラスでエントリーした。

ワールドカップでは道下が8位。

アジアパシフィックでは顕児は6位、デラクルードは7位に終わった。

「世界はやっぱり広いですねぇ・・・。」ため息をつきながら、孝雄が呟いた。

あれだけ国内で無敵を誇った顕児が、予選順位を維持するのに精一杯だった。

世界の層の厚さを痛いほど感じたのは孝雄よりも、顕児、もちろん道下やデラクルードの本人達だった。

レース後、道下、顕児、デラクルードは今年最後の顔合わせのつもりで、パドックで話をしていた。

「SRS−F?」顕児とデラクルードは何のことか判らずに道下に聞いた。

「ああ、来年からフォーミュラにステップアップする。」道下は、カートからの卒業を宣言した。



ヘヴン TOPへ

posted by 北乃 道晴 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 038.進路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

38.進路(2)

人気ブログランキングへ

「だって、クルマの免許無いだろ・・・。」デラクルードが思いついたように言う。

「いや、レースに関しては16、17歳の場合、限定A級ライセンスの発給を受けれるんだ。」

「それにスクールなら、お前達でも参加できるんだぜ。本多技研系列のSRS−Fだと16歳以上だけど、タヨタ自動車のFTRSなら14歳以上で参加できる。成績優秀者だとスカラシップ、まあ奨学金が貰えるから、カートで終わるつもりでなければチャレンジすべきだと思う。」

「だけど、カートと違ってとんでもない金が掛かるんだろ?」デラクルードがしつこく聞く。

「ああ。借金だらけになるのは覚悟してる。でも、やってみないと後悔しそうだしな。」道下の強い決意はこの言葉に表れていた。

「中学、高校で数千万の借金かぁ・・・。」考えたこともなかった話題に、デラクルードだけでなく顕児も実感が湧いてこなかった。

「まあ、あと一年くらい考えておけよ。やれるなら、フォーミュラーでお前たちと揃って勝負したいと思ってるからさ。」兄貴分の道下が言った。

「14歳でフォーミュラのスクール、16歳でフォーミュラのレース・・・。」

明らかに顕児の心を揺り動かした、道下の言葉だった。



ヘヴン TOPへ

posted by 北乃 道晴 at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 038.進路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

38.進路(3)

人気ブログランキングへ

土曜日のアタコ・サーキットでの練習日。

「あー、今年は随分色々あったなぁ。」孝雄が、今年のカート活動は今日で終わりだ!と体をほぐすように伸びをした。

「冬休みに恭子ちゃん、戻ってくるんだろ?」

「さぁ。何も連絡くれないんですよ。」

「お前、自分からメールで聞こうとしないわけ?」

「・・・。」

「なーにしてんだか。奥手だねぇ・・・。」孝雄は呆れた顔をして、パイプ椅子に座っている顕児を見下ろした。

午前中の練習走行をビッシリ走り込んだ顕児だったが、珍しく午後はのんびりとピットで長い休憩を続けていた。

「来年、1年目のKF1でチャンピオンになれたとしたら、どうしたい?」孝雄が、不意に顕児に尋ねた。

「フォーミュラのこととか、考えてるんですか?孝雄さん。」

「そりゃ、考えちゃうよ。俺だって。だから、顕児はどう思ってるのかと気になってさ。」

「無理ですよ。借金してまで大博打するようなもんでしょ?」大人びたことを顕児が言い出した。



ヘヴン TOPへ

posted by 北乃 道晴 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 038.進路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




楽天 ネックレス
エコバッグ
エルメス
落天rakutenの砂時計
モータースポーツ 電動レーシングカート

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。