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2009年05月19日

27.祖父と祖母(1)

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自宅は朝から大騒ぎだった。

「ほら、了祐。自分の部屋の片付けをさっさと終わらせてしまって!」恭子の母親が居間中をごった返して雑巾がけをしながら言う。

カレンダーは12月30日。窓の外を見ると、うっすらと小雪が降りてくるのが見える。

そして、冬休みののんびりした気分は昨日までで一休み。

今朝から大掃除が始まっているのだ。

「恭子!2階の雑巾がけが終わったら、掃除機を持っていって先に済ませてしまって!」

「まだ終わってなーい!」2回から恭子が叫び返す。

「おーい、風呂掃除は終わったぞぉ。」冬とは思えないTシャツ、短パン姿で父親が居間に戻ってきた。全身ずぶ濡れだ。

「トイレも終わった?」母親が確認する。

「えー!トイレもオレ?」

トイレ掃除は今や出世に欠かせない心掛けよ。さっさと済ませてちょーだい。」

「なんだ?出世しろって思ってたわけ?」

「今より下がんないで欲しいだけよ、ほらさっさと行く!」

「くーっ」肩を落としながら父親がUターンして居間を出て行く。

恭子の母親は日頃からテキパキ家事を済ませてしまう。

おかげで、年末の大掃除をする必要が無いくらい家は片付いているのだが、今日はとにかく徹底的に全てをやり直したいらしい。



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posted by 北乃 道晴 at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 027.祖父と祖母 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

27.祖父と祖母(2)

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母親は日頃の2倍以上のスピードで片付けを済ませていく。

了祐は掃除の途中でクローゼットの奥から見つけたマンガを読み始めていた。

が、それを察しているかのように1階に居る母親から『庭の枯れ葉集め』を指示されて、慌てて外に飛び出していった。

「部屋が綺麗になるまで、あんたご飯抜きにするからね!」

「庭掃除してたら部屋掃除するヒマ無いじゃん!」

居間の窓を開け放って了祐を監督しながら、母親は掃除機をかける。

「ママ、寒いよ〜。」再び戻ってきた父親が縮こまって言ったが、母親はお構い無しだ。

夕方からは父親の運転で、家族揃っていつものスーパーへ行き、普段の週末とは比べものにならないほど大量の買出しをして家に帰って来た。

「あー、もう何も無いよねー?」居間の床に大の字に横になって了祐が言った。

「はい、はい、ご苦労様。」母親が答えた。

そして、「あ、パパ、ビール飲む?」とサービスモードに切り替わっていた。

「お、もう飲んでいいの?」

「恭子ー、もうちょっとだけ手伝ってぇ。」台所から母親が呼ぶ。

「私も休みたーい!」床に座ってソファーに寄りかかっていた恭子が甘えた。

そうして、夜の7時を回った頃には、ようやく白鳥家は落ち着きを取り戻して行った。



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posted by 北乃 道晴 at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 027.祖父と祖母 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

27.祖父と祖母(3)

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次の日の朝、父親と了祐が車で戻ってきた。

先日の小雪は全て溶けていたが、大晦日らしい青空が広がっていた。

玄関先から恭子の父親の声が呼んだ。

「ママぁ、着いたよ!」

「ハーイ。ほら恭子、お迎えよ。」

「うん!」

嬉しそうに恭子も玄関へ向かった。

「おおー恭子、元気そうだ!見違えるくらい美人になったなぁ!」老紳士が玄関に立っていた。

「おじーちゃん、いらっしゃい!」

「まぁー恭子ちゃん。可愛くなってぇ!」続けて老婦人も玄関に入って来た。

「お母様、お疲れさまでした。」恭子の母親が声をかけた。

「とにかくすぐ入ってくつろいで下さい。本当にお疲れになったでしょう。」

「えぇ、そうね。まずは足を伸ばそうかしら。」恭子の祖母が答えた。

「早く入っちゃってくれ〜。荷物が重い・・・。」祖父と祖母の後ろで、恭子の父親と了祐が荷物を抱えて堪えていた。



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posted by 北乃 道晴 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 027.祖父と祖母 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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