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2009年05月16日

25.ヘルメット(1)

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「白鳥、ちょっと職員室に来てくれないか?」担任の高井が6時間目の授業を終えて帰りの挨拶を終えたあとの放課後、恭子に声をかけた。

「あ、はい。」

『何かした・・・わけないわよね、私。』不安を感じながら高井について職員室へ向かった。

職員室の自分の席に座ると、高井は机の上に置いておいたスケッチブックを恭子に渡した。

「お前のヘルメット、まだ真っ白のままなんだって?」

驚いたように高井は恭子に尋ねた。

「まだ・・・?まあ、白いですけど。」

「この間たまたまお母さんに会って聞いたよ。日本一になったんだってな。」

カート活動のことは顕児の友達以外、学校では知られていない。

顕児も学校ではカートの話しをほとんどせず、友達にも睨みを利かせて話をさせないようにしていた。

カートに乗るようになったことは僅かばかり高井も聞いてはいたが、たった1年半ほどで日本一になったことには驚くばかりだった。

そして何より嬉しかったのは、恭子が夢中でカートに取り組んでいると恭子の母親から聞かされたことだった。



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posted by 北乃 道晴 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 025.ヘルメット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月17日

25.ヘルメット(2)

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「ちょっと見てもらって良いかい?」スケッチブックを指差しながら、高井が言った。

何事かと不安に思って立っていた恭子は、ようやくほっとして、スケッチブックを開いた。

「わぁ、きれい!」スケッチブックに描かれている絵を見て、恭子は感嘆の声を上げた。

ページをめくるたびに、その思いは強くなって行く。

「先生、すごい、すごい綺麗。」

高井は大学時代にイラストレーターとしてセミプロ活動していたことがあった。

趣味がこうじて、雑誌の表紙に何度か採用されるほどの実力を身に着けていた。

が、初心を貫き教師の道を歩んできた。

「久しぶりに夢中で描いちゃったよ。」と高井は恭子の表情を見て嬉しそうに言った。

「もし良ければその中から好きなのを選んでくれないか?プロのデザイナーに知り合いがいるから、日本一のお祝いに、プレゼントとして白鳥のヘルメットにペイントしてあげる。」

「ほ、ホントですか?」

「ああ、もちろん。でも、他の生徒には内緒だぞ。」

「じゃ、絶対これ!」

「うん?見せて。」

恭子が覗き込んでいるページを、高井も立ち上がって覗き込む。

「このシンプルなので良いのかい?」

「はい!」

ヘルメットの両サイドに、赤と紫の重なり合ったハートマークに黄色の彗星の尾が施された、白を基調としたデザインだった。

「これなら、はるかちゃんと一緒に走れるから。」

『ああ、三咲はるかのこと、まだ背負ってたんだな・・・。』高井は恭子の思いを知り、

「よーし、わかった。じゃそのデザインを元に仕上げてペイントしてもらおう!」と笑顔で答えた。



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posted by 北乃 道晴 at 08:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 025.ヘルメット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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