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2009年05月15日

24.東西統一(1)

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ゲート周辺には大勢の人だかりが出来ていた。

頭上の大きな看板には『全日本ジュニア 東西統一カートレース』と書かれている。

最終的に全勝で今年もアタコの地区チャンピオンを獲得した恭子は、昨日の金曜の夕方から『東西ジュニア決定戦』の開催地である鈴馬サーキットに来ている。

昨日の練習走行を無難に終え、今日はいよいよ本番。

今年もサポートとして、孝雄、角谷、顕児が付いて来てくれた。

恭子の両親も今日は観客席に居るはずだ。

「気になるから顔は出さないでね。」と言っておいたので、金曜日に自宅を出てから今日まで両親とは会っていない。

レーシングウェアに着替えを済ませて恭子がワンボックス・カーから出てくると、何人かの大人が恭子に気づいて近寄ってきた。

「こんにちは。白鳥恭子さん・・・ですよね?カートマガジンの竹田といいます。」1人の男がそう言った。

「あ、はい。そうですが・・・?」

「何枚か写真撮らせてもらって良いですか?それと、出来ればレース後に少しお話をさせて欲しいんですが。」

「・・・。」

「いきなりで困らせちゃったかな・・・?ごめんね。じゃ、レース後に改めてチームの方にお願いすることにします。」と、竹田は握手を求めた。

恭子はその場の雰囲気に乗らざるを得ないと観念して、大きな手と握手し、小走りに顕児たちが待つピットへと向かった。



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posted by 北乃 道晴 at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 024.東西統一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

24.東西統一(2)

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「おとなしい子だなぁ。」

竹田がそう言うと、カメラを3台ぶら下げた男が、

「竹田の顔が怖くて何もいえなかったんだよ。」と、つっけんどんに言った。

「ほっといてくれ。」多少自覚のある竹田は少しムッとして言った。

カメラをぶら下げた男の表情が、そもそも取材するほどの相手ではないと言っていた。

竹田もそう思っているが、去年ここで恭子の走りをほんの一瞬見かけてから、何故だかあのピンクのマシンを忘れられずにいた。

写真に残っていたピンクのマシンに『丸山自動車』と書かれていたのを今朝になって再び思い出し、あらためて調べたエントリーリストから恭子の名前を知った程度であったが。

天候は心地良い快晴になった。

恭子たちとは別のクラスの練習走行が続々と行われている。

「あと20分もしたら練習走行だよ。」

孝雄がピットに入って来た恭子に言った。

「はい!」

「今年もすげー速いのがゴロゴロ居るなぁ。」手伝いもせずにコースを見ている顕児が、悔しそうに言う。

「凄いよね、みんな。」恭子も同感だ。

「なーに言ってんの。恭子ちゃんの昨日のタイム、上のクラスでもまだ抜けてないよ。」孝雄が余裕で言う。

「まあ、本番になってみないと判らんだろうけどなぁ。」角谷が慎重に言った。



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posted by 北乃 道晴 at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 024.東西統一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

24.東西統一(3)

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今年も、エントリーしている女子選手は恭子1人だけ。

しかも、昨年同様に大会最年少の1人だ。

昨年のマシントラブルが反省となって、孝雄はチェックリストを作った。

そして今年のシーズン最初から、マシンのあちこちを何度も見直しては、「OK!」とブツブツ繰り返す姿が増えた。

今日も、孝雄が手にしているチェックリストには『レ点』がびっしり書き込まれていた。

「あそこまで徹底的にやるとはねぇ。」角谷は、仕事もそのくらい熱心にやれよと言いたげな目をして笑った。

「でも、おかげで今年は一度もレース中に動かなくなったりしませんでしたね。」恭子は感謝して言った。

その数分後、アナウンスが流れる。

「ただ今より、ジュニアBクラスの練習走行を開始します。」

「よーし、出すぞぉ!」角谷が孝雄の方に向かって歩き出した。



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posted by 北乃 道晴 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 024.東西統一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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