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2009年05月10日

20.レッスン(1)

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金曜の朝も快晴だった。

迎えに着た孝雄が運転するワンボックス・カーに乗り込みアタコ・サーキットに到着すると、同じく角谷が運転してきたワンボックス・カーが既に駐車場に止まっていた。

顕児の他に、男子2人も同乗して来たようで、角谷を手伝ってトランクからカートを下ろし始めていた。

「おはようございます!」

孝雄より先に角谷の元に歩いて行き、恭子が挨拶した。

「おはよう!今日も暑くなりそうだよ。」

「はい。」

そう答えると、着替え入りのバッグとカバーにくるまれたヘルメットを地面に置き、恭子もカートをスタンドに載せる作業を手伝った。

ウェアに着替えて、恭子と顕児はピットから他のチームの数を数えていた。

「今日はまだ少ないな。」

「うん。」

2人の男子のうち、背の高い1人が「なんかいつもと違ってかっこ良く見えるなぁ。」と恭子と顕児を見て言った。

「お前らも今日走るんだから、少し雰囲気に慣れとけよ。」と顕児が言いながら、使い古した赤いカートの方に2人の男子を連れて行った。

「今日は4台だけなんですか?」

恭子が、ピンク色のカートを組み立てている孝雄の傍に来て言った。

恭子が見回すと、恭子と顕児のカート以外にいつもなら6台ほどあるはずのカートが、使古した赤いカートと、恭子と顕児のカートと同じ様にステアリングにコンピューターが付いた黒のカートが1台置いてあるだけだったからだ。

「あ、恭子ちゃん、そこのレンチ取ってぇ。」

孝雄が指差した孝雄の足元の工具を見て、

『これ・・・かな?』と、すばやく取り上げて孝雄に渡す。

「今日は君たちジュニアチーム2人と、あの子達2人用に3台、それと宮城選手用に1台持ってきただけだよ。」

孝雄は続けて、

「他のおじさんたちも何人かあとで来るけど、今日は君たちのお手伝・・・いっ。」と、力を入れてレンチを締め終えてから、恭子の方を向いて笑った。



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posted by 北乃 道晴 at 08:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 020.レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

20.レッスン(2)

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今日のピットはいつもと雰囲気が違う。

今回初めて、ノートパソコンがピットに置かれていた。その横にはビデオカメラ2台も置かれていた。

「今日はいっぱいデータを取るから、どんどん走ってね。」

「はい!」

アタコ・サーキットは8:00からコースが開放される。

「じゃあ、2人とも少しウォーミングアップして来て。」

孝雄にサポートしてもらいながら、恭子は最近練習を始めた押しがけでエンジンを始動してコースに出て行った。

数秒遅れで顕児も、青いカートに飛び乗りコースインして行った。

「うお〜、かっこいい!」2人の男子が声を上げた。

「君たちもこっちへおいで。一人ずつ走ってみよう。」と、孝雄が二人の男子に声をかけ、使古した赤いカートの方へ呼んだ。

『くっ、相変わらず速ぇな!』

ヘルメットの中で叫びながら、恭子のピンクのマシンを追い続ける顕児。

とはいえ、まだまだ1周で1.5秒以上の差をつけられてしまう実力差は如何ともしがたい。

どんどんピンクのマシンは先へ先へと逃げて行く。

しかし、ここ最近では恭子を真似た走り方にもずいぶん慣れてきた。

まだまだスピードは遅いが、もう少しヒントが見つかれば絶対に恭子を追い詰めれる・・・という自信を、顕児は感じ始めていた。



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posted by 北乃 道晴 at 10:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 020.レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

20.レッスン(3)

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15周ほど走って、2台ともピットイン。

マシンをスタンドに載せて、ヘルメットを脱いでからコースの様子を見た。

2人の男子も10周交代で、初めてのカートを夢中になって走らせているようだ。

交代したばかりの背の高い男子が顕児の傍に近づいて来て、「いま清見が走ってる。」と言った。」

「どうだった?」

顕児が聞くと、「10周くらい走ってたんだけど、おまえらに3回くらい抜かれた・・・。」と小さな声で言った。

タイムボードを見ながら、「結構、走れてたんじゃん」と顕児より8秒落ちのタイムを見て顕児は褒めた。

「でも、白鳥は初めて乗った時からあれより8秒以上速かったけどな。」とそっけなく行った。

「8秒?最初から?」

「いまタイムボードの一番上に表示されてるのが白鳥のタイムだよ。」

「・・・えと、え、10秒も速ぇーの!?」

「俺より1.5秒も速い。」

顕児と話していた背の高い男子は、孝雄と話をしている恭子の背中を見て唖然とした。



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posted by 北乃 道晴 at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 020.レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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