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2009年04月21日

7.夢の実現

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いつものように、はるかの部屋で過ごす恭子とはるか。

「JAXAって知ってる?恭子ちゃん。」

「じゃくさ?」

「今ね、つくばで宇宙飛行士のトレーニングを体験させてもらえるんだって。予約入れたら、来月体験できることになったんだ!」

「宇宙飛行士のトレーニング!?」

つくばが何処なのかも良く知らないが、宇宙飛行士のトレーニングと聞けば恭子でも何か凄いことだとは想像できた。

「うん、信じられないよ。日本で、そんなことさせてもらえるとは思ってもいなかったから!」

「JAXAに行けるだけでも凄いよ!」

「どんなことするの?」

「すごいのよ。船外活動訓練、緊急事態訓練、適性検査、月面で無人探査機を操縦するシミュレーションとか。」

もう、この時点で恭子は着いて行けていない。

はるかは、国際宇宙ステーションのの船外プラットホームの話や、管制チームからの指示を受けながら作業を行うことのリアリティ、適性検査でどの程度の結果が出るかなど、高潮した表情で話し続ける。

私より重度の心臓疾患を患っているとは思えないバイタリティを感じさせるはるか。

つくづく凄いと思うと同時に、ついつい応援したくなる魅力を感じた。

「じゃ、また明日ね!」と恭子が振り返って言う。

「気をつけてね。」はるか。

夕方はるかの家を出て自転車にまたがると、恭子は今日も丘の上公園に立ち寄った。

自転車を押して急勾配の細道を上っていく。

頂上に着くと展望台から町並みが見渡せる。

胸の痛みを感じながら、しばらく町並みを眺めたあと、誰に聞かせるわけでもなく口に出して自分に尋ねた。

「私は何がしたいんだろう?」

もう、公園には誰もいない。

そして自転車にまたがると、上ってきた細道を駆け下りて行った。


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posted by 北乃 道晴 at 13:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 007.夢の実現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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