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2009年04月19日

6.病院(1)

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恭子とはるかは病院の待合室のソファーに並んで静かに座っていた。

二人の母親たちは、その右隣に座って楽しげに談笑している。

「恭子ちゃんは今日は問診だけ?」はるかが憂鬱そうに恭子に聞く。

「ううん、検査もあるから半日コースかな。」

「じゃ、帰りも一緒に帰れるね。」ほっとした表情のはるか。

「うん、帰りに例のスイーツ食べに連れてってもらおう!」と恭子。

嬉しそうに頷くはるか。

「ポーン」

呼び出し音と共に、5つある診察室の2号室の案内板に「916」と表示された。

「じゃ、あとでロビーでね。」そう言って、はるかが彼女の母親と一緒に診察室へ入っていった。軽く会釈しながら。

ロビーで待つこと1時間。

はるかの母親が1人でロビーにやって来た。

「恭子ちゃんごめんね、1時間も待たせちゃって。」

「検査増えちゃったの?」と恭子の母親。

「そうなの。まだ1〜2時間は掛かりそうだから。今日は先に帰って貰ってって、はるかが。ごめんなさいね。」と早口ではるかの母親が伝える。

「あの・・・」と恭子が言いかけたとき、「じゃ、明日の放課後、スイーツ食べに行きましょうってはるかちゃんに伝えて、ね。」と恭子の母親。

「でも咲さん、明日はご主人と・・・」

「いいの、いいの。家のダーリンより、はるかちゃんとの約束のほうが大切よね、恭子(笑。」

「明日楽しみにしてるって言っておいてください、おばさま。」恭子がきっぱり言い切る。

「うん、ありがとうね。」


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posted by 北乃 道晴 at 21:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 006.病院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月20日

6.病院(2)

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「ふーん、じゃ運が良ければってことで、予約の変更だけでもしてみるかぁ。」恭子の父親が携帯電話をのんびりと取りに行く。

「あー、離婚の危機だぁ!」と恭子の弟が冷やかす。

「離婚したら、了祐はどっちに付いてくぅ(笑?」と恭子の母が意地悪そうに聞く。

「どっちもやだなぁ・・・」

「何だよ、それ(笑。」と父。

「あー、明日の夕方から予約していた白鳥ですが・・・」携帯電話に向かって話し出す父親。

カレンダーには結婚記念日の文字とハートマーク。

母親が念入りに書き込んだものだ。

「それにしても、あなたの心臓、頑張ってくれてるわねぇ。」

胸に手を当てる恭子。

「あんたがなーんにも頑張らないから、代わりに心臓が頑張ってくれてるってことかしら(笑。」

「それが母親のコトバだなんて、嘆かわしいわよ」

「やっぱり、あたしが作った心臓だけあるわね(笑。」

このセリフには恭子もちょっと言いたいことはあったが、決してこれは誰のせいでもない。

頬杖を付いてテレビのお笑い番組を上の空で眺めることに決め込んだ。

「ママ〜!土曜日だって言うのに予約を移してくれたよ!ラッキー!」と父親。

「えー、そんなに人気の無いお店に予約入れたのぉ!?」と母親。

返す言葉無く、立ちすくむ父親。

父親に背を向けて嬉しそうに舌を出す母親。

「おとーさん、道間違えないようにしてよ。去年はママ、すっげー俺に八つ当たりしたんだから。」ととどめを刺す了祐。

「離婚したら、お前は引き取らんからな!」と父親が言った。


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posted by 北乃 道晴 at 20:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 006.病院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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